ラビトール(ジヒドロケルセチン)
食品産業におけるジヒドロケルセチンは、食品の賞味期限を延ばす抗酸化剤として、また食品に薬効性を付与する添加物として利用されています。ジヒドロケルセチンは食品の自然酸化を防ぎ、その保存期間を1.5 ~ 4倍に増大させます。ジヒドロケルセチンが少量でも準医薬食品の成分にあれば、フリーラジカルの有害な作用から体を守るのに役立ちます。
乳製品・油脂産業
ジヒドロケルセチンを乳製品や油脂製品の製法に導入すると、脂質の過酸化作用を抑制し、保存期間を1.5 ~ 3倍に延長し、食品の生物価を高め、初期の官能特性を維持します。ジヒドロケルセチンは、製造過程で失われる脱酸素剤を補うのに役立ちます。
製菓業
ジヒドロケルセチンを菓子に加えると品質が向上し、保存期間が2 ~ 2.5倍になります。ジヒドロケルセチンは脂質の酸化プロセスを阻害し、それを添加した製品だけでなく、その製品を摂取した人体内で進行する酸化プロセスも抑制します。
食肉、水産品、鶏肉加工産業
ジヒドロケルセチンを加えると、肉製品と半製品、チキンを含むミンチ肉、それをハンバーグに整形したもの、チキンと七面鳥肉の生ハム、ポークとチキンなどの脂肪を1.5 ~ 4倍長もちさせます。
ノンアルコール・アルコール製品生産
ジヒドロケルセチンをクワスの成分に加えると機能性飲料としての性質が生まれ、酵母菌の繁殖が抑えられ、生存能力も減殺されるので保存期間が2.5倍にもなります。
アルコール飲料の製法に酸化防止剤を加える目的は、肝臓の負担と二日酔い症状を軽減するだけでなく、風味を豊かにすることです。
ノンアルコール・アルコール飲料の製造におけるジヒドロケルセチンの利用
ラビトール‐アラビノガラクタン
アラビノガラクタン物理化学・生物学的性質を規定するのは、多くの場合アラビノガラクタンの食品産業における使われ方です。以下の3つはその使われ方です。
- 増粘剤、ゲル化剤、安定剤として
これらの使用方法は、アラビノガラクタンが冷水に溶け、溶液の濃度を上げても粘度が低く、脂肪を固定し、水分を保持し、グルテンの質に作用する貴重な特性を利用したものです。 - 可溶性食物繊維とセルロースの供給源として
アラビノガラクタンはセルロースと可溶性食物繊維の供給源です。吸湿性(水分を吸収する性質)のあるアラビノガラクタンは食物の消化を助けるので、特定の結腸疾患を防ぐのに役立ちます。食物繊維は、有益な乳酸菌が増殖するのに好適な条件を作り出します。また、高級品の小麦粉ばかりを食べていると食物繊維が欠乏するのでアラビノガラクタンがそれを補います。 - 機能性食品をつくるための食品添加剤として
食品業界においては、近年、治療および予防効果を持つ、いわゆる機能性食品が特に注目を浴びています。アラビノガラクタンはプレバイオティクスとしての機能があり、消化器官の正常な働きを維持するのに不可欠な善玉菌や体内の短鎖脂肪酸が増えるのを助けます。また、抗炎症作用、胃や細胞膜を保護する機能もあるので、機能性食品に広く使用されることになりました。
Lavitol-M
粉末状のジヒドロケルセチンの物理的および化学的性質は水に難溶性であり、必要とされる濃度では油にほとんど溶けません。他にもジヒドロケルセチンを食品製造に利用するには難しさがあり、最終製品の段階で添加したり、一様に混ぜ込んだりすることが簡単ではありません。Lavitol-Mは油脂に溶ける抗酸化特性プレミックスで、天然由来の酸化防止剤であるジヒドロケルセチンを含んでおり、低濃度の補助成分を加えてレシチン油に溶かした液体です。抗酸化特性プレミックスLavitol-Mはジヒドロケルセチンを最終製品全体に均等にいきわたらせることができ、また少量を添加するだけでジヒドロケルセチンの効能を向上させます。