ラビトール‐アラビノガラクタン

ラビトール‐アラビノガラクタンは植物由来の水溶性多糖類で、ダフリアカラマツの木から得られます。ガラクトースとアラビノースの分子が含まれており、白、淡いグレーまたは淡いクリーム色の粉末で、かすかな針葉樹の香りがします。

アラビノガラクタンの性質

  • ダフリアカラマツから採取したアラビノガラクタンは水への溶解性が高く、お湯と冷水の両方によく溶けます。水エタノール溶液にも溶けますが、油には溶けず、純粋なエチルアルコールにもほとんど溶けません。
  • 耐酸性
  • 熱および加水分解安定性
  • 保水能力
  • 脂肪結合能力
  • 殺菌性
  • プレバイオティクス性

アラビノガラクタンはプレバイオティクス性があるので、消化管の正常な微生物叢バランスを保ちます。水溶性食物繊維の供給源になるので、消化管が健康な状態を保ちながらより良く栄養吸収を行えるようにするので、栄養補助食品もしくは機能性サプリメントとして毎日摂取することが進められます。さらに、体の働きを正常に保つためにとても大切な短鎖脂肪酸の形成を助けます。

適用分野

アラビノガラクタンは、製薬産業や食品産業で広く利用されています。製薬産業での利用は、以前はおもに形態の異なる薬をつくる際の補助物質として使用されていました。ところがアラビノガラクタンの性質の研究が進むにつれ、サプリメントとして利用することが視野に入ってきました。

アラビノガラクタンの食品産業での利用は、以下の法令規範により規制されています。

  • 2001年11月14日付主任国家衛生医官命令第36号「SanPiN(衛生規則基準) 2.3.2.1078-1 の施行について」により、ジヒドロケルセチンは抗酸化物質に分類されています。
  • 衛生学・疫学的標準に関する系統的ロシア連邦2004年政府勧告No. 2.3.1.1915-04の「食品とサプリメントの推奨消費レベル」 では、ジヒドロケルセチン消費の適正量と上限許容量が1日あたり10 mgから20 mgの間と定められています。

化粧品業界ではアラビノガラクタンを補助成分として使用しているようです。アラビノガラクタンは良い安定剤として、また組織化剤としての性質があり、化粧エマルジョンの安定性を高めるために使用できます。保湿性もありますので、皮膚の湿度を保ち、皮膚の栄養状態を良くするのに役立ちます。

公開情報

  • 食品添加物「ラビトール‐アラビノガラクタン」を使って発酵乳製品の栄養を強化する研究 // Reshetnik E.I. 他
  • 食品添加物「ラビトール‐アラビノガラクタン」の構造およびプレバイオティクスへの転用の可能性に関する研究 // Reshetnik E.I. 他
  • アラビノガラクタンが発酵乳食品の微生物学的特性と保存性に及ぼす作用 // Utochkina E.A. 他
  • アラビノガラクタンを牛乳と野菜に加えた発酵食品製造技術の開発 // Reshetnik E.I. 他。